山之内製薬(現アステラス製薬)は、H2受容体拮抗剤の研究を進める中で、アミジン誘導体のH2受容体拮抗作用が極めて強力であることを発見
山之内製薬(現アステラス製薬)は、H2受容体拮抗剤の研究を進める中で、アミジン誘導体のH2受容体拮抗作用が極めて強力であることを発見
ガスターD錠10mg
ガスターD錠20mg
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガスター散2%
ガスター散10%
ガスター注射液10mg
ガスター注射液20mg
手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷により、ストレス潰瘍が発症する可能性が考えられる場合に限り使用すること。
なお、広範囲熱傷はBurn Index10以上の熱傷を目安とすること。
静脈内投与による一般臨床試験(85例)、用量検討試験(189例)、二重盲検比較試験(209例)、及び筋肉内投与による一般臨床試験(36例)、計519例の概要は次のとおりである。
筋肉内投与による一般臨床試験(23例)、非盲検比較試験(79例)、二重盲検比較試験(132例)及び静脈内投与による非盲検比較試験(81例)、計315例の概要は次のとおりである。
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする1)。
血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。また、ガスターは透析により、その一部を取り除くことができます。2)
ファモチジンは、ウレアーゼ活性に影響が無いとする報告1)とあるとする(偽陰性をおこした)報告2)の両方があります。
◎ウレアーゼ活性に影響が無いとする報告1)H.pyloriに感染した日本人ボランティア30名を対象に、無投薬、ランソプラゾール、レバミピド、H2RAファモチジンまたはロキサチジンの計4回13C-UBTを実施し、UBTに及ぼす影響を検討したところ、ファモチジン投与例全例(15例)においてUBT陰性はみられませんでした。[関連情報1]
◎ウレアーゼ活性に影響がある(偽陰性を示した)とする報告 2)H.pylori感染ボランティアに対し、ファモチジン40mgを就寝時投与後、炭酸水素ナトリウムをUBT検査時に投与し、胃内pHを上昇させると10例中1例で偽陰性が認められました。また、UBTの低下はクエン酸を投与することにより元の値に戻ることから、UBTの低下は胃内のpHによるものと考察されています。H2RAはPPIとは異なり、H.pylori細菌数の減少とは関係なく、胃内pHの上昇がウレアーゼ活性の低下を起こした可能性があり、この作用はクエン酸により元に戻ると考察されています。[関連情報2]
参考までに、ガイドライン及び成書に記載されている、除菌前後の休薬期間に関する情報をご紹介します。
・H.pyloriの感染及び除菌判定実施時における薬剤投与については、「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」のⅡ診断法、A総論、2.補足事項に以下の記載があります3)。
抗菌薬、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)や一部の防御因子増強薬等、H.pyloriに対する静菌作用を有する薬物、ウレアーゼ活性に影響する薬物が投与されている場合、除菌前後の感染診断の実施にあたっては、当該静菌作用を有する薬剤投与を少なくとも2週間は中止することが望ましい。
・活動期潰瘍における除菌判定及び薬物投与の注意点については、「ピロリ除菌治療パーフェクトガイド」の第1章除菌治療を行うために必要な知識、4除菌判定の時期と方法、除菌判定の留意点に以下の記載があります4)。
活動期潰瘍における除菌は、引き続きの潰瘍治療が必要であり、十二指腸潰瘍では5週間、胃潰瘍では7週間の潰瘍治療がなされますが、潰瘍治療薬、特にプロトンポンプ阻害薬(PPI)は尿素呼気値を低下させ、偽陰性を呈するとされています。そのため、PPIによる治療後の休薬期間として、ヨーロッパのガイドラインでは2週間ですが、4週間の間隔をあけた時期、すなわち除菌療法から十二指腸潰瘍では10週目、胃潰瘍では12週目の判定がより正確にできます。
深く大きな潰瘍では抗潰瘍薬の休薬で再発が懸念されるので、その間、判定に影響の少ないH2受容体拮抗薬を投与するのが望ましいと考えられます。
9.8 高齢者 本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。 高齢者では一般に各種生理機能が低下しているため、血中濃度の半減期が延長し、薬剤の投与に注意が必要です。 ガスターは腎より未変化体のまま排泄される割合が高く、高齢者において排泄が遅延されやすいと考えられ、高齢者において若年者より血中濃度が高くなりますので1)、高齢者に対しては慎重に投与して下さい。高齢者にガスターを投与する際は、投与量または、投与間隔の調整をお願いします。
添付文書では、投与期間に関しては特に定められていませんので、長期投与することは可能です。
重要な基本的注意に「血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。」との記載があるため、ガスター錠、D錠、散の長期投与は、審査支払い機関(基金)において査定される可能性があります。
「消化性潰瘍診療ガイドライン2015」では、H.pylori非除菌治療の維持療法について、以下のことが示されています。
胃潰瘍に対する非除菌治療の維持療法にはH2RAやスクラルファートを選択することを推奨する。(推奨の強さ1、エビデンスレベルA) 1)。維持療法は1年まで有効であり、行うことを推奨する。(推奨の強さ1、エビデンスレベルA) 2)。
十二指腸潰瘍の非除菌治療において維持療法にはPPI、H2RA、スクラルファートを選択することを推奨する。(推奨の強さ1、エビデンスレベルA) 3)。十二指腸潰瘍に対する非除菌治療における維持療法は2年まで有効であり、維持療法を行うことを推奨する。(推奨の強さ1、エビデンスレベルA) 4)。
ガスターD錠は清涼で甘みを有します。ただし20mg錠はメントールの味が加わります。ガスター10%散はやや苦味を有しております。
ガスター2%散は少し甘味が感じられますが、苦味も感じられます。ガスター錠は糖衣錠です。
本来、原薬のファモチジンはわずかに苦いのですが、添加物の種類や量の違いにより味に違いができます。D錠では苦みをマスクしています。
錠:乳糖、白糖
ガスター(経口)の体内動態は、食事の影響を受けません。健康成人を対象にガスター錠20mgを絶食下又は食後にクロスオーバー法にて投与した結果、各時間の血漿中濃度、Cmax及びAUCは、両条件間に有意差が認められませんでした。[ガスター錠・散・D錠インタビューフォーム「VII-1-(4)-1)食事の影響」]
ガスター添付文書「11.1 重大な副作用」に、「11.1.8間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明):初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。」と記載されています。
ガスター添付文書には以下の記載があります。
急性・慢性胃炎患者に対するファモチジン20mg1日1回と10mg1日2回投与1)、ならびに消化性潰瘍患者に対するファモチジン40mg1日1回と20mg1日2回投与2,3)を比較した臨床試験において、自他覚症状改善度、内視鏡所見改善度、全般改善度および有用度に有意差は認められませんでした。また、健康成人を対象に、ファモチジン40mg1日1回と20mg1日2回の24時間胃内酸度に及ぼす影響を比較した臨床試験において、酸分泌抑制効果はほぼ同等でした4,5)。 一方、胸やけ症状を示す症例に対して多施設無作為化二重盲検法にて症状寛解を検討した結果、ファモチジン20mg1日2回(朝食前・夕食前投与)は、40mg1日1回(就寝前)およびプラセボより胸やけ寛解において優れていたとの文献報告6)があります。
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする1)。
血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。また、ガスターは透析により、その一部を取り除くことができます。2)
ファモチジンは、ウレアーゼ活性に影響が無いとする報告1)とあるとする(偽陰性をおこした)報告2)の両方があります。 ◎ウレアーゼ活性に影響が無いとする報告1)H.pyloriに感染した日本人ボランティア30名を対象に、無投薬、ランソプラゾール、レバミピド、H2RAファモチジンまたはロキサチジンの計4回13C-UBTを実施し、UBTに及ぼす影響を検討したところ、ファモチジン投与例全例(15例)においてUBT陰性はみられませんでした。[関連情報1] ◎ウレアーゼ活性に影響がある(偽陰性を示した)とする報告 2)H.pylori感染ボランティアに対し、ファモチジン40mgを就寝時投与後、炭酸水素ナトリウムをUBT検査時に投与し、胃内pHを上昇させると10例中1例で偽陰性が認められました。また、UBTの低下はクエン酸を投与することにより元の値に戻ることから、UBTの低下は胃内のpHによるものと考察されています。H2RAはPPIとは異なり、H.pylori細菌数の減少とは関係なく、胃内pHの上昇がウレアーゼ活性の低下を起こした可能性があり、この作用はクエン酸により元に戻ると考察されています。[関連情報2]
参考までに、ガイドライン及び成書に記載されている、除菌前後の休薬期間に関する情報をご紹介します。
・H.pyloriの感染及び除菌判定実施時における薬剤投与については、「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」のⅡ診断法、A総論、2.補足事項に以下の記載があります3)。
抗菌薬、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)や一部の防御因子増強薬等、H.pyloriに対する静菌作用を有する薬物、ウレアーゼ活性に影響する薬物が投与されている場合、除菌前後の感染診断の実施にあたっては、当該静菌作用を有する薬剤投与を少なくとも2週間は中止することが望ましい。
・活動期潰瘍における除菌判定及び薬物投与の注意点については、「ピロリ除菌治療パーフェクトガイド」の第1章除菌治療を行うために必要な知識、4除菌判定の時期と方法、除菌判定の留意点に以下の記載があります4)。
活動期潰瘍における除菌は、引き続きの潰瘍治療が必要であり、十二指腸潰瘍では5週間、胃潰瘍では7週間の潰瘍治療がなされますが、潰瘍治療薬、特にプロトンポンプ阻害薬(PPI)は尿素呼気値を低下させ、偽陰性を呈するとされています。そのため、PPIによる治療後の休薬期間として、ヨーロッパのガイドラインでは2週間ですが、4週間の間隔をあけた時期、すなわち除菌療法から十二指腸潰瘍では10週目、胃潰瘍では12週目の判定がより正確にできます。
深く大きな潰瘍では抗潰瘍薬の休薬で再発が懸念されるので、その間、判定に影響の少ないH2受容体拮抗薬を投与するのが望ましいと考えられます。
2008年4月に「療担規則及び薬担規則並びに療担基準」が改正され、H2遮断剤が在宅医療において投与できるようになりました。
ガスター注射液に投与日数の制限はありませんが、何日まで投与することができるかは地域の審査支払機関(基金)の判断によります。なお、ガスター注射液は在宅自己注射指導管理料が請求できる薬剤には含まれませんので、自己注射はできません。
9.8 高齢者 本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。 高齢者では一般に各種生理機能が低下しているため、血中濃度の半減期が延長し、薬剤の投与に注意が必要です。 ガスターは腎より未変化体のまま排泄される割合が高く、高齢者において排泄が遅延されやすいと考えられ、高齢者において若年者より血中濃度が高くなりますので1)、高齢者に対しては慎重に投与して下さい。高齢者にガスターを投与する際は、投与量または、投与間隔の調整をお願いします。